「熟睡すれば短時間でも大丈夫」とはいえません

「質の良い眠りをしましょう」と言われることがあります。ベッドや枕によって深い眠りが実現できると宣伝されることもあります。「長く眠れなくても、睡眠が深ければ大丈夫」といわれるのをお聞きになったこともあるでしょう。しかし、実はどのような眠りが質の良いものなのか、よくわかっていないのです。ですので、こういう眠りを目標にしましょう、といえるようなものはありません。

≪「質の良い眠り」とはなにか?≫

ノンレム睡眠は1段階から4段階に分けられ、3段階、4段階は深い眠りです。この3段階、4段階の熟睡状態が多い眠りを「良い眠り」とする説もありますが、2段階の眠りでも途中で目覚めることなく爽快な目覚めをして一日を元気に過ごすことができます。また、3段階、4段階の深い眠りを経験しても、トータルの睡眠時間が少なければ、必ずしも元気に過ごせるというわけでもありません。

深い眠りと質の良い眠りとの関係ははっきりとせず、「短時間睡眠でも、深ければ大丈夫」というような説は、正しいとは言えません。

≪「レム睡眠中に起きると良い」は本当か?≫

ノンレム睡眠中は肉体はある程度覚醒していますが、脳は深い眠りについています。逆にレム睡眠中は脳がある程度活発に動いているので、このときに起きるようにすれば目覚めがスッキリするという説もあります。レム睡眠からノンレム睡眠に移り、またレム睡眠に戻る1睡眠単位は平均すると90分程度です。そこから逆算して睡眠時間を決めれば、起きるころには眠りが浅くなっているため、楽に起きることができるだろうというわけです。

実際、レム睡眠中に起きた方が覚醒しやすいのですが、いつがレム睡眠なのかを正確に割り出すことは簡単ではありません。個人差があるため、誰もがみな「90分」から逆算して決めればよいというものでもありません。実際に個々人ごとに、測定して睡眠時間を決めていくということは不可能なので、理論上では成り立っても、実生活上は成り立たない理論といえるでしょう。計算自体が無理なことなのです。

≪満足できる眠りを自分ではかるしかない≫

こうしたことを考えると、朝起きた時にぐっすり眠ったという感覚があって、一日を元気で過ごすことができれば、それが質の良い眠りと言えるでしょう。途中で何度も目覚めたりすることがなく、スムーズに眠ることができれば問題はありません。時々寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまったり、朝早く目覚めてしまったりすることがあったとしても、一過性のもので、何日も続くとかしょっちゅうあるということでなければ、気にすることはありません。

今日は眠れた眠れなかったと神経質に気にし過ぎると、余計に眠れなくなってしまうものです。ある程度意識しながらも、大らかに眠りをとらえる必要もあるかも知れません。「眠りの質」については、まだよくわかっていないものですので、必ずしも気にしなくても良いでしょう。ぐっすり眠れたと感じられることが大切です。



Copyright© Insomnia Solution All Rights Reserved.