睡眠薬を飲む危険

なかなか眠れない日が続くと、睡眠薬の服用を考える人もいるかもしれません。しかし、睡眠薬を常用すると弊害も出てきます。睡眠薬を飲むことで起きる問題を紹介します。

≪高揚感で後悔するような行動をとってしまうことも≫

睡眠薬を飲むと一時的に高揚し、普段は絶対にやらないような行動をとってしまうことがあります。酔っ払ったような状態になることがあるので気をつけてください。例えば、睡眠薬「マイスリー」には、酩酊感や多幸感をもたらす効果があります。マイスリーを飲んだあとに起きていると、普段送らないようなハイテンションなメールを送ったり、書き込みをしてしまったりすることがあり、その後の対応に苦労することになります。このような自体を避けるためにも、睡眠薬を飲んだあとはすぐに寝るようにしましょう。

≪肝臓への負担が大きい≫

薬を飲むと肝臓に負担がかかりますが、睡眠薬は中でも負担が大きい薬です。長期に渡って服用すると、肝硬変のリスクが高まりまるので注意してください。もともと肝臓が割る人が飲むと、薬が上手く代謝されずに体内に残って、効果や副作用が長く続いてしまうこともあり得ます。肝臓に異常がある方は特に気をつけましょう。

≪依存性が強い≫

睡眠薬には強い依存性があります。最初は1錠で効果があっても、飲み続けるにつれて効果が薄れて、必要な量が増えていきます。依存症になってしまうと、睡眠薬なしでは眠れなくなってしまいます。さらに効果が切れてきたときに、離脱症状が起こり、不安やイライラ、焦燥、吐き気、頭痛などを引き起こします。依存性になるのを防ぐためにも睡眠薬を使う場合は、適切な時期に減薬しなければなりませんが、また眠れなくなるという不安から減薬に戸惑ってしまう患者さんも多いようです。

≪認知症のリスクを高めることにもつながる≫

睡眠薬を服用することで、認知機能障害を起こしやすくする可能性もあります。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を投与されている高齢者は、投与されていない高齢者と比べて43~51%もアルツハイマー型認知症になりやすいことが、2014年Sophie Billioti de Gage氏らによってBMJ誌で報告されました。使用量が多く、使っている期間が長いほどそのリスクは高まるそうです。

≪睡眠薬を飲むと死に至る?≫

昔は睡眠薬を大量に飲んで自殺するケースがよくありました。昔の睡眠薬は今よりも効果が強く、脳全体の働きを抑制させる効果があったのです。呼吸や感覚を司る中枢神経にまで作用したため、大量摂取すると死亡する危険性がありました。

しかし、現在普及している睡眠薬は以前のものとは異なっています。よく使われるペンゾジアゼピン系の睡眠薬は、脳の中枢神経の中の情動神経だけに作用し、脳が覚醒するのを防ぎます。そのため、以前よりも脳に与えるリスクは少なくなりました。ただ、以前より危険性が減ったとはいえ、依存性や副作用はあるので大量に飲むのは危険です。なるべく飲まないでも眠れることを目指しましょう。

睡眠薬を飲むことには眠れない不安から解放されるなど、メリットもありますが、リスクもたくさんあります。なるべく薬には頼らず、どうしても必要なときは短期間で止めるようにしましょう。