眠らないとどうなる?ギネスに載った人たちの記録

人はどのくらいの間眠らないでいることができるのでしょうか?断眠でギネスに載った人たちの記録を紹介します、

≪11日間の断眠に挑戦したアメリカの高校生≫

1964年、アメリカの高校生ランディ・ガードナーさんが断眠に挑戦し、11日間(264時間)眠らずに過ごすという記録を出しました。カフェインなどの興奮剤を使わない記録としては最長です。ランディさんはクリスマス休暇の自由研究としてこの実験をすることを決めました。眠くなると周りを取り囲んだ友人がつついたり、大騒ぎをしたりして眠気を追い払ったそうです。

ランディさんは実験の2日目で怒りっぽくなり、体調不良を訴えました。軽度の記憶障害もみられたといいます。4日目になると妄想や強い疲労感を覚えるようになり、7日目には体が震えだして言語障害も起こりました。

彼は実験終了後、15時間眠り続けて体調不良や妄想から回復します。1週間ほどで以前の生活に戻すことができたようです。さいわいランディさんの場合は実験終了後に体に異常をきたすことはありませんでしたが、眠らないでいるとさまざまな問題が起こることがわかりました。

≪断眠の様子を生放送で伝えたディスクジョッキー≫

ランディさんよりも前に断眠記録に挑戦した人がいます。ラジオのディスクジョッキーのピーター・トリップという男性です。彼は1959年、小児麻痺救済の募金を集めるため、睡眠学者と医師の立ち会いのもとラジオの生放送で実験を行いました。

ピーターさんも実験をはじめて3日目頃から妄想や幻覚を見始めます。突然笑ったり声を上げて泣いたりと、情緒不安定になっていったようです。5日目には身体を虫が這い回っているという幻覚を見たり、立ち会っている医師を葬儀屋と勘違いし、自分を葬ろうとしていると思い込むなど、錯乱状態に陥ります。実験の最後になると自分が誰なのかもわからなくなりました。

ピーターさんの断眠は8日と8時間(200時間)続きました。幻覚症状は、実験後に睡眠をとったあとで消えたそうです。

≪眠らずに済んだのはマイクロスリープのおかげかもしれない≫

ランディさんとピーターさんがこれほどの記録を出せたのは、何度も「マイクロスリープ」が起きていたからではないかと考えられています。

マイクロスリープとは、寝ようと思っていないのに瞬間的に寝てしまうことです。脳が限界を迎えたときに起こります。マイクロスリープが起こるのは一瞬ですが、その一瞬で大きな睡眠効果と大脳新皮質の休息が得ることができます。マイクロスリープが起こることによって短時間に疲労を回復できるというメリットもありますが、本人は意図していないのに眠ってしまうため、運転中など気を抜けない場面で起こると事故に繋がるおそれもあります。危険な場面でマイクロスリープが起こることがないように、普段から睡眠不足には気をつけておきましょう。

以前はギネス記録として認められていた断眠ですが、健康に支障をきたすことから現在ではとりやめられています。以前挑戦した二人に深刻な後遺症が出ることはありませんでしたが、長期間眠らなかったことにより死亡するケースもあり、大変危険なので断眠は絶対にやめましょう。